ゆうきまさみ先生の最新巻『新九郎、奔る！』3巻。ついに始まる『応仁の乱』戦国の世が始まる！

『新九郎、奔る！』は
『ダッシュ！四駆郎』と
関係がないと見せかけて
実は一切の関係はございません。

あしからず。

（なによそれ）

とにかく前置きになにかを言わないと行けない
そんな気がする病を患っている上島向陽です。

とまぁ、室町時代を舞台とした『ダッシュ新九郎、奔る！』ですが3巻でとうとう戦国時代の鏑矢が放たれます。
そうあの忌まわしき『応仁の乱』の火蓋が切って落とされるのです。





さて、近年まで『応仁の乱』は足利義政の妻である、日野富子が
我が子を次の将軍にする為にごり押ししたせいで勃発したもの……。

との説が有力ではありましたが、最近の研究ではどうやら違うとされてきているのはご存じでしょうか。

これにより日本史三大悪女として「北条政子・淀君」の後に連なっていた
日野富子はこれに入らないのではという説が有力化されているようです。

ゆうきまさみ先生もその辺りを研究されているのか、義政の弟、足利義視と義政の思いの行き違いによるものという説を採っているようです。

いずれにしても史上最悪の兄弟喧嘩と呼ばれる『応仁の乱』も
将軍継嗣問題というよりも、それをストレスにしないようにという
義政の色々な配慮が裏目に出た、という感じのようです。

あれですね。

引きこもりのニートを心配してあれやこれやと
世話焼いてみたら、ある日突然キレたみたいな……。

あ、こう言うとわかりやすいかも。

とまぁ、そんな応仁の乱のそれぞれの心情をつぶさに描写しており、
とても興味深くわかりやすくなっております。

歴史読み物としても非常に興味深いです。

さてさて、主人公の新九郎くんですが、前巻で早い元服を済まし
幕府の政情へと関わるようになっていきます。

そして義視に使える兄と再会しその内情をつぶさに聞くのですが、
政治という魍魎跋扈する舞台には義視のまっすぐな性格は
合わないのではと危惧します。

しかしその人物像に心酔した兄は義視側に着こうとして
謀反したとして討たれてしまうのです。

この応仁の乱がいかにして起こっていくかを
目の当たりにした新九郎。

後に元祖下剋上、ファースト戦国大名となる伊勢新九郎の人格形成が
ここでされていったのでしょう。

さてさて、まだ若い少年の彼が、いかにして北条早雲になっていくのか、
非常に楽しみであります。

新九郎、奔る! (3) (ビッグコミックススペシャル)

• 作者: ゆうき まさみ
• 出版社/メーカー: 小学館
• 発売日: 2020/01/10
• メディア: コミック